シャーロックホームズ 『青い紅玉』

シャーロックホームズ 『青い紅玉』

原作者 アーサー・コナンドイル
脚色 ゆっくり文庫
潤色 島津じっつー

※この作品はニコニコ動画の投稿者ゆっくり文庫さんの許可の元、動画を元に作った声劇台本です。自作発言。転載はしないようご協力をお願いします
役表
シャーロックホームズ ベイカー街221Bに住む探偵
ワトソン   ホームズの助手 元軍医で射撃の能力に優れている
ヘンリーベイカー ガチョウと帽子の持ち主
ピーターソン 守衛の男 ホームズにガチョウと帽子を届けた
ジェイムズ・ライダー オウクショット夫人の弟と名乗る男



ホームズ/不問
ワトソン/不問
ピーターソン&ヘンリー&ジェイムズ/不問



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ワトソンN「1889年12月25日。 クリスマスの朝。急な往診(おうしん)から帰ってきたのは、10時過ぎだった。ホームズはまだ寝ていると思ったが、意外な事に起きていた」

ワトソン
「おや、ホームズ。君にしては早起きだね。てっきり寝ているかと思っていたが…」

ホームズ
「まぁね。来客があってハドソン夫人に叩き起こされてね」

ワトソンN
「見ると、机の上に拡大鏡と薄汚れたフェルト製の帽子が乗っていた」

ワトソン
「この帽子は?殺人事件の証拠品かい?」

ホームズ
「いや…つまらない話さ、君の事件簿に記録する価値はないと思うが、聞いてみるかい?」
ワトソン

「良いよ。聞かせてくれ」
ホームズ

「1時間ほど前、守衛(しゅえい)のピーターソンが帽子とガチョウを持ってきたんだ」
ワトソン
「…帽子と、ガチョウ?」

ホームズ
「ピーターソンの話によるとこうだ。未明のトテナム・コート通りで、町のゴロツキ供の喧嘩に出くわした」

ピーター
「コラ!ここで何をやっているんだ…おい待て!全く…あんた、怪我はないか?あっおい!何で逃げる?帽子とガチョウを忘れてるぞ!おーい!」

ホームズ
「ピーターソンは実直な男だ。帽子とガチョウを持ち主に返したいが、その持ち主がどこの誰か分からない。そこで、些細(ささい)な出来事にも注目する男、つまり、僕のところにその話を持ってきたというわけだ。頼りにされるのは嬉しいが、僕の睡眠は妨げられたよ」

ワトソン
「ピーターソンはガチョウを持ってきたんだろう?それはどうしたんだい?」

ホームズ
「ピーターソンに持ち帰って貰った。食べないと悪くなっちゃうからね」

ワトソン
「持ち主の手がかりは?」

ホームズ
「ガチョウの足に『ヘンリーベイカー夫人へ』と書かれた紙がくくりつけてあった。しかしロンドンに何千人のベイカーがいて、何百人のヘンリー・ベイカーがいるだろうね!」

ワトソン
「ハハッ!そんなにはいないよ。という事は手がかりはなしか…」

ホームズ
「推理出来る事を除けばね」

ワトソン
「この古いひしゃげた帽子から?」

ホームズ
「僕の手法は知ってるだろう?ワトソン」

ワトソン
「ふむ、まずは観察だな…どれどれ…裏地に「H.B」のイニシャルが読める。それでヘンリーベイカー氏の帽子だろう」
ホームズ
「それで?」

ワトソン
「…以上だ」

ホームズ
「(溜息)君は何も見てないな…」

ワトソン
「無茶を言わないでくれ、だったら君ならどう推理する?」

ホームズ
「そうだな…この帽子の持ち主は高い知性を持っているようだ。3年前は裕福だったが、今は不遇の日々を送っている。かつての洞察力もうしなわれた。生活が荒れた原因は、おそらく酒だろう彼は妻にも愛されていない程に…」

ワトソン「おいおい…」

ホームズ
「(被り気味)落ちぶれたが、いくらかの自尊心は残っている。中年で、運動不足だ。数日以内に散髪をしていて、髪にライムクリームを塗っている。そして彼の家にガス灯(とう)が引かれている可能性はまずないだろう」

ワトソン
「ホームズ…私をからかっているのか?」

ホームズ
「とんでもない」

ワトソン
「だったら説明してくれないか」

ホームズ
「つまりはこのように推理が出来る…まずこの帽子は大きい、これだけ大きければ何かは入っているだろう…高い知性はある。そして唾が平らに伸びて、端で反っている。これは3年前の流行で、最上級品だ。つまり3年前は経済的余裕があった。だがその後買い替えてないから今は落ちぶれているだろう…そしてここを見てくれ。帽子を固定するための小さな穴がある。特注品だろう。…用心深く身だしなみに気を使う性格で、外れたゴムは替えていないそして…」

ホームズ
「というわけだ。どうだね?」

ワトソン
「なっ…成る程…何でもお見通しというわけだな」

ホームズ
「しかし持ち主の住所や職場を特定するには至らない。まあ帽子とガチョウの紛失にこんな推理も無駄か…ふぁあ…なんだか眠くなってきた、もう少し寝る事にー」

ワトソンN
「その時、ピーターソンが家に駆け込んできた」

ピーター
「ホームズさん!ガチョウが…!ガチョウが!!」

ホームズ
「ガチョウがどうした?生き返ってパタパタ飛んでいったか?」

ピーター
「違います!見てください!ガチョウの胃袋から…こんなものが!」

ワトソンN
「それは燦然(さんぜん)と輝く、蒼(あお)い宝石だった」

ホームズ
「それで…君は自分のなにを持ってきたか分かるかい?」

ピーター
「このダイヤモンドですか?」

ホームズ
「それは世間が注目している宝石だよ」

ワトソン
「…まさか!ブルー・カーバンクルか?」

ホームズ
「ワトソン、ご名答だ。この色、大きさ、形は、連日の新聞広告に書かれている通りだ」

ピーター
「価値あるものなんですか?」

ホームズ
「二つとないから本当の価値は分からないが、伯爵夫人は懸賞金に1000ポンドを出すそうだ。つまりは、君のものだよ」

ピーター
「せっ…1000ポンド!?ひゃあ…!たまげた…!」

ホームズ
「事実関係を確認しようか、ええと…新聞はどこだ?」

ワトソン
「これだ。要約するよ。ホテル・コズモポリタンでモーカー伯爵夫人のブルー・カーバンクルが盗まれた。通報でホーナーという配管工が逮捕されたが、宝石は見つからず、ホーナーは容疑を否認している」

ホームズ
「成る程…僕らが取り組むべき問題は、宝石が辿(たど)った経路だ。出発点は伯爵夫人の宝石箱、終着点はガチョウの胃袋…ワトソン!僕らの推理もたちまち重要度が増したね」

ワトソンN
「そう言うとホームズは踊りだしそうな勢いだった」

ホームズ
「ピーターソン!全ての夕刊に広告を出してくれ。文面はこの通りに」

ピーター
「どれどれ…?『トテナム・コート通りでガチョウと黒のフェルト帽子を拾得。ヘンリー・ベイカー氏へ同等品を返却希望。今晩六時半にベイカー街221Bへ参上されたし』…?」

ホームズ
「簡潔明瞭だろう?名前を入れてあるから、知り合いが教える可能性がある」

ピーター
「これはどの新聞に出せばいいんです?」

ホームズ
「君の思いつく限りの新聞!」

ピーター
「承知しました!」

ホームズ
「それから帰りにガチョウを買ってきてくれ。ワトソン、お金を」

ワトソン
「はいよ」

ピーター
「承知しました!それでは、行ってまいります!」



ワトソン
「どう思う?ホーナーという配管工は無実で、真犯人はヘンリー・ベイカーだろうか?」

ホームズ
「分からないが、おそらくベイカー氏は無関係だろう。同じ重さの金塊より価値があるガチョウと知ったら置き去りにしないだろうからね…さて、広告に応じるかどうか」

ワトソン
「もし、現れなかったら?」

ホームズ
「次の手を考えるだけさ」

ワトソンN
「指定した時刻に来客があった。ハドソンさんが部屋に案内をしてくれた」

ヘンリー
「やぁやぁ、どうも…」

ホームズ
「ようこそ、ヘンリー・ベイカーさんですね?」

ヘンリー
「はい、そうです」

ホームズ
「今夜は寒かったでしょう。さあ、暖炉の近くにお寄りください」

ヘンリー
「ありがとうございます、それでは遠慮なく…よいしょっと…」

ワトソンN
「ヘンリー・ベイカー氏の容姿は、ホームズが推理した通りだった。教養はありそうだが、身なりは貧相。鼻が赤く手が震えているのは酒のせいだろうか…」

ホームズ
「お聞きしますが、この帽子は貴方のものですか?」

ヘンリー
「えぇ!それは間違いなく、私の物です。帽子とガチョウは荒くれどもに奪われてもう取り戻せないと諦めておりました。」

ホームズ
「成る程…しかし、ガチョウですがね…食べてしまいました」

ヘンリー
「…食べた…?」

ホームズ
「ええ、でないと、ガチョウがダメになってしまいますからね…そこで、別のガチョウを用意して貰いました。目方も同じでしょう。代わりにならないでしょうか?」

ヘンリー
「あぁ…十分です。十分ですとも…!」

ホームズ
「元のガチョウの羽と足、内臓は残っておりますが、持ち帰られますか?」

ヘンリー
「ははは…事件の記念になるかもしれませんが、結構です…ご迷惑でなければ、ガチョウだけ頂戴したいです」

ホームズ
「分かりました…ところで、あのガチョウはどこでお求めになったのですか?実は僕は鶏肉に目がないのですが、あんな育ちの良いガチョウはそうそうお目にかかりませんから」

ヘンリー
「そうでしたか…それなら博物館のそばにあるアルファ・インです。そこにウィンディゲイトという亭主がガチョウクラブという互助会(ごじょかい)を作りましてね。毎週、数ペニーずつ積み立てるとクリスマスにガチョウを一羽頂けるのです」

ホームズ
「成る程、アルファ・インですね?」

ヘンリー
「もしや、ガチョウの仕入れ先をお知りになりたいのですか?」

ホームズ
「そうですが…」

ヘンリー
「それでしたらコヴェント・ガーデンです。亭主の仕入れを手伝いましたから」

ホームズ
「そうでしたか…それで仲買人(なかがいにん)の名前までは…流石にご存知ありませんよね?」

ヘンリー
「ブレッキンリッジです。こう見えても記憶力はいい方なんですよ。私は昔大学でーー」

ホームズ
「そうですか…いやぁ素晴らしい!とても助かりましたよ、ベイカーさん!こちらが帽子とガチョウです。どうぞお持ち帰りください」

ヘンリー
「いやいや、お礼を言うのは私ですよ!このガチョウがあれば、家内の機嫌も良くなるでしょう!本当に、本当にありがとうございました!」

ホームズ
「お気をつけて…では良いクリスマスを」

ワトソン
「良いクリスマスを」

ヘンリー
「良いクリスマスを!」
ホームズ
「さて…ヘンリー・ベイカー氏はあの通りの人物だった。彼は事件の事を何も知らない」

ワトソン
「でも、ベイカー氏にガチョウが戻って良かったと思うよ」

ホームズ
「ふむ…次に向かうべきはコヴェント・ガーデンだ。そういえば…ワトソン、君は空腹かい?今すぐに食べないと困るくらい」

ワトソン
「いや、そんな事はない」

ホームズ
「では捜査を優先しよう、そろそろハドソンさんが食事の準備をしているからな」


ワトソン
「ふう…寒い…カーディガンでも着てくれば良かった…」

ホームズ
「寒い?そうかね…」

ワトソン
「全く…ベットから出てこれない癖に…」

ホームズ
「あれがブレッキンリッジだな…店じまいをしている。急ごう」
ワトソン
「相変わらず、聞き込みは見事だな、ホームズ」

ホームズ
「造作もないさ…さてワトソン先程の情報を整理してみようか…」

ワトソン
「あぁ、アルファのウィンディゲイト氏に卸(おろ)し、12シリング。仕入れ先はオウクショット夫人、ブリクストン通り117だったな…」

ホームズ
「あんな風に髭を整え、懐から赤新聞を覗かせている男は賭けの話で釣れるからな…さて次に目指すはオウクショット夫人だな」

ワトソン
「だが、こんな夜更けに訪ねるのはまずいだろう…寒いしお腹も空いた…明日にしないか?ホームズ」

ホームズ
「いいかい?ワトソン。僕らが無実を証明しなければ7年の懲役を受けるかもしれぬ男が、留置所で不安な夜を過ごしているんだ」

ワトソン
「分かってる、分かってるよ」

ホームズ
「それにガチョウを追っている人物も気になる…おっ見てみろ」

ワトソンN
「振り向くとブレッキンリッジの露店でネズミのような男が怒鳴り散らされていた」

ジェイムズ
「私はオウクショット夫人の弟なんだ。あの人はあんたに言えと…頼む…私のガチョウなんだ。頭が灰色のガチョウがいただろう?頼むから教えてくれよ」

ホームズ
「ついてるぞ、ワトソン。ブリクストン通りまで行かずに済みそうだ」

ワトソンN
「追い返された男に、ホームズが声をかける」

ホームズ
「失敬。ガチョウ屋と話しているのが耳に入りましてね。その件でお力になれると思いますよ」

ジェイムズ
「…どなたですか?」

ホームズ
「シャーロック・ホームズ。他人の知らぬ事を知るのが仕事です」

ジョン
「…でも私が知りたい事は知らないでしょうね」

ホームズ
「いいえ、存じております。貴方が探しているのは、頭が灰色で、体は白く、尾に一本黒の横線があるガチョウです」

ジェイムズ
「っ…!?そそそっそうです!」

ホームズ
「そのガチョウは、ブリクストン通りのオウクショット夫人から出荷され、ブレッキンリッジという仲買人(なかがいにん)を介して、アルファのウィンディゲイト氏が買い取り、そこからヘンリー・ベイカー氏に渡りましたが、トテナム・コート通りで紛失したところをピーターソンという男が拾いました」

ジェイムズ
「そのガチョウは、今どこに…?」

ホームズ
「お話の続きは温かい所で」

ワトソン
「そして私達は馬車でベイカー街221Bに戻った」
ホームズ
「どうぞ、その椅子にお掛けください。さて…お力添えするのですから、お名前をお聞きしても?」

ジェイムズ
「…ジョン・ロビンソン、といいます…」

ホームズ
「いえ、本名をどうぞ。偽名での取引は厄介ですから」

ジェイムズ
「…ジェイムズ・ライダーといいます」

ホームズ
「お勤め先はホテル・コズモポリタンですね」

ジェイムズ
「えっ…?なっ…なぜそれを…?」

ホームズ
「貴方が探しているガチョウですがね。ここに来たんですよ」

ジェイムズ
「ここに…?」

ホームズ
「そして卵を産みました。世にも珍しい青く輝く卵をね…」

ジェイムズ
「…っ!?」

ワトソンN
「ホームズは金庫の錠を開けて、ブルー・カーバンクルを取り出した。ライダーの目が吸い寄せられ、口元が震える。」
ジェイムズ
「………」

ワトソンN
「今起こっている事が幸運か否か、判断できないようだ。そんな迷いを、ホームズが断ち切った」

ホームズ
「それまでだ、ライダー!腰を抜かすな。暖炉に落ちるぞ!」

ジェイムズ
「うわっ…!?」

ホームズ
「椅子に座れ。気の弱い男だ。犯罪をやり遂げる知恵も度胸もない!!この青い宝石はモーカー伯爵夫人のものだよ。お前はそれを盗んだんだ!」

ジェイムズ
「あの女に…キャサリンに唆(そそのか)されたんです…!」

ホームズ
「ふんっ…伯爵夫人付きのメイドだな。お前をキャサリンはホーナーに窃盗の前科がある事をしって、伯爵夫人の部屋に招き入れた。宝石を盗み出すと、虚偽の通報で哀れな男を逮捕させた」
ジェイムズ「おっおお…お願いですホームズさん!ご勘弁を…!!私は二度とこのような事をしません!神に誓います!ですから警察だけはご勘弁を…!」

ホームズ
「椅子に戻れ、土下座なんかしても無駄だ。お前の為に監獄に送られる男の身にもなってみろ!」

ジェイムズ
「…へへへ…こうなったら私は逃げます…高飛びします…私がいなくなれば、告訴はなくなりますとも…」

ホームズ
「その話は後だ、僕は事件の大筋を理解しているし、お前を有罪にする証拠も揃えている。しかし、細部を明らかにしておきたい。なぜ宝石がガチョウの中に入ったのか、なぜガチョウが市場に流れてしまったのか」

ジェイムズ
「分かりました…ありのままをお話します。実は…盗んだ宝石の隠し場所を考えていなかったんです。昼休みの時、姉の家を訪れた時に閃いたんです…宝石をガチョウに飲ませて、クリスマスプレゼントとして持ち帰ればいいと!ところが…家でガチョウを捌いても宝石は見つかりません…ガチョウを、間違えたのです…宝石を飲み込んだガチョウは市場に卸されていて、仲買人(なかがいにん)は売り先を教えてくれません…それで途方にくれました…」

ホームズ
「これほど有名な宝石をどうやって金にするつもりだったんだ?」

ジェイムズ
「いえ…その…」

ワトソン
「なんだ?」

ジェイムズ
「その…キャサリンが…どうにかしてくれるかと…」

ホームズ
「そのキャサリンがどこにいる?」

ジェイムズ
「もうダメだと確信し、荷造りしております…どうか…どうかお慈悲を…両親が悲しみます。申しませんから許してください!お願いです、警察だけは…!」
ホームズ「…ふう…」

ワトソンN
「ホームズは溜息をつく。犯人が少人数で呆れたのか、全ての謎を解いた事で、事件への興味を失ったのか。長い沈黙の後、ホームズは言った」

ホームズ
「…出て行け」

ジェイムズ
「あっ…あっ…ありがとうございます…!この御恩は一生ーーー」

ホームズ
「喋るな…出ていけ」

ジェイムズ
「……」

ワトソンN
「ライダーは口をつぐみ、部屋から出ていった。窓から通りを走って行く後ろ姿が見えた」

ワトソン
「ホームズ…」

ホームズ
「何も言うな、ワトソン。僕は警察に雇われているわけじゃないんだ」

ワトソン
「いや、あれで良かったんだ…あんな男を牢にぶち込むのは、殺すのと一緒だ。悪い事をすると…君のような男がやってくる。そう学んだ彼は、真っ当な人生を歩むだろう一人の男の魂を救ったと言えるんじゃないかな」

ホームズ
「そうかね…そう言って貰えると助かるよ…さて、夕食にしようか。ハドソンさんの料理を温めて貰おう」

ワトソン
「いやはや、腹ペコだよ…ん?待ってくれよホームズ…ホーナーはどうなる?」

ホームズ
「なに、宝石が見つかれば、彼の容疑は晴れる。適当な説明も考えてあるよ」

ワトソン
「だが今は留置所にいるぞ。それから伯爵夫人に連絡はしたか?宝石を失ったショックで寝込んでいるそうだ」

ホームズ
「明日でいいんじゃないか?謎も解けた…それに…クリスマスだよ」

ワトソン
「ホームズ。君がいたからピーターソンは迷わずに済んだ、ベイカー氏は帽子とガチョウを取り戻せた。ライダーと共犯者は、人生をやり直すチャンスを得た」

ホームズ
「……ふふっそうだな…君の言う通りだ…ハドソンさん!申し訳ないが外出するよ!夕食はまた後で…ほう…サンドイッチ」

ワトソン
「それは助かる!」

ホームズ
「警察署で食べようか」

ワトソン
「しかしハドソンさんよく分かったな」

ホームズ
「…ハドソンさんの初歩の推理だな」

ホームズ&ワトソンは笑い合う

ホームズ
「さて…行こう、ワトソン」

ワトソン
「あぁ…ホームズ!」




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